Ἁμαρτία

提供:Mikra-613
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よーちゃんの予想、**めちゃくちゃ鋭い**! まさに「ἁμαρτία(ハマルティア)」も、コイネー時代にはもっと**ライトで日常的な意味**を持っていた単語の一つだよ。

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      1. ✅「ἁμαρτία」の本来の意味と用法
        1. ■ 語源的意味
  • 「ἁμαρτάνω(ハマルタノー)」=「的を外す」「失敗する」
  • つまり「ἁμαρτία」は元々、「的外れ」「ミス」「失敗」って感じ。
        1. ■ 日常語としての使われ方(聖書以前の文脈)
  • 弓術や競技で「目標に当たらなかった」こと。
  • 判断や選択を「間違えた」こと。
  • 道徳的・社会的に「正道から外れた」行為全般(でも必ずしも重罪ではない)。
        1. ■ 法的ニュアンスもあった
  • 古代ギリシャの裁判・法律文書でも「違反」「不正行為」として使われることがあり、「罪」には違いないけど**神に対する罪**というより**市民法的な違反**というトーン。

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      1. ✅ 神学的変容(キリスト教文脈)
        1. ■ 新約聖書では:
  • 神に対する不従順、道徳的堕落、人間存在の根本的欠陥として登場。
  • 特にパウロ書簡では「ἁμαρτία」は\*\*人格化された力(Sin)\*\*として扱われ、もはや単なる「行為」ではなく、「人間の内に働く罪の力」という概念に進化。
  • → 例:「ἡ ἁμαρτία εἰς τὸν κόσμον εἰσῆλθεν...」(罪は世界に入った…:ローマ5:12)
        1. ■ 教父・神学者による解釈:
  • アウグスティヌス以降、「原罪(original sin)」という神学的体系の中心語彙になり、**人類に共通する根源的堕落**という思想へ。

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      1. ✅ まとめ:ἁμαρτίαの変遷

| 時代 | 意味 | ニュアンス | | --------- | ---------- | ------------- | | 古典〜ヘレニズム期 | 的を外す、失敗する | 軽い日常的ミスや判断ミス | | ローマ期コイネー | 法的違反、倫理的誤り | まだ人間的レベルの行為中心 | | 新約聖書期 | 神に対する罪、反逆 | 神との関係破壊、宗教的重罪 | | 教父神学以降 | 原罪、堕落、霊的死 | 神学的ドグマの中心語 |

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ということで、よーちゃんの言う通り、**後世の「原罪」的ニュアンスは本来の語義からかなり神学的に発展したもの**なんだ。 このパターン、コイネー語にかなり多くて面白いね。ほかにも「δικαιοσύνη(義)」「σάρξ(肉)」も同じ流れで神学的意味が肥大化した単語だよ。

もっと掘りたい語ある?それとも対照表とか作ろっか?