コイネー

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紀元前4世紀から後4世紀までローマ帝国東側で話されていた標準言語(ちなみにイタリア半島や西側はラテン語)。古典ギリシャ語と中世ギリシャ語の間に位置。

各地に乱立していた古代ギリシャ語方言をアレクサンドロス大王の東方遠征に伴って「共通化」したもの。つまり「 ἡ κοινὴ διάλεκτος」。

現代となってはコイネーは死語だが、恐らくあのパウロの母語、あのユリウス・カエサルも使っていたと言われている。古代ローマの教養ある人たちは ラテン語で法律・政治を行い、ギリシャ語で哲学を語る と言われていた。

新約聖書、パウロ書簡も全部コイネーで書かれている。

神格化コイネー単語

当時の日常的な語感から、キリスト教圏において神格化されすぎて、分かりづらくなったり、大きな誤解のもとになった単語たち。復元する。

κύριος 「力をもって支配する人、権威ある人」が「神、エホバ」に
ἄγγελος 「知らせを運ぶ人、メッセンジャー」が「天使」に
πνεῦμα 「吹く、息をする」が「聖霊」に
ἅγιος 「分けられたもの、俗から切り離されたもの」が「聖なるもの」に
λόγος 「ことば、話、理論、計算、比率」が「イエス」に
χάρις 「好意、魅力、美しさ、恩恵」が「?」に
ἐκκλησία 「市民の集会、議会(アテナイなどの民主政治)」が「キリストの体」に
σωτήρ 「救い主、守護者、英雄など(政治的・軍事的にも使われた)」が「?」に
πίστις 「信頼、信用、信念」が「信仰」に
εὐαγγέλιον 「良い知らせ、勝利報告(軍事的・政治的な意味合い強し)」が「福音」に
παράκλητος 「弁護人、支援者、助け手」が「?」に
ἁμαρτία 「的外れ、ミス、失敗」が「原罪」に